FROM RED PANTS
おお、ついにRED PANTSねえさんのページが!
書くことを生業とする、ねえさんのつれづれをお楽しみください。
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| 5月8日「ネコ」 NEW! |
| ずっと忙しかった。 やっと、5月1日か2日なら午前中の時間を使って、ネコを病院に連れていってやれるはずだった・・。 4月28日の土曜日、ネコは動かなくなった。 日曜日に救急で病院に連れていったときには、手を施しても五分五分と言われた。 遅すぎた! つまらない人間ばかりを相手にどんどんくだらなくなっていく自分の仕事に、 やるせない思いが飽和状態になっていただけに、すべての悔しさが仕事へ向けられていくのを感じた。 仕事ってそんなもの──そう言ってしまえばそれまでだ。 でも、あたしには人生守りに入らなきゃなんない理由なんか、どこにもない。 養うべき子どももいないし、持つつもりもない。 別に、そんなたいそうな仕事ではない。ただ、自分の納得のためには無理をする。 それは、あたしのプライド。そう、プライドだけは保ちながら仕事を続けたい。 少なくとも、くだらない人間のくだらない我が儘を叶えるために、 自分の大切なものを失ったりしない生き方を選びたい。 5月2日朝、6年前に亡くなった父親が可愛がっていたネコは、 その父の命日の翌日、息をするのをやめた。天国でうまく父に出会えるといいが・・。 |
| ○月×日「貧血」 |
| 朝は苦手だ。身体がどしようもなくだるい。歯を磨く間も立っていられない。 今朝もそうだった。逆立ちして頭に血を巡らせてやろうかと、真剣に思った。 「ごめん、調子悪いし遅れるわ」。 「大丈夫ですか?ホントにしんどそうな声」 アルバイトの、おとなしい女の子が電話に出た。 総勢10人ほど、若い人間ばかりのうちの会社は、 異常に他人に無関心(あるいは干渉しない)だ。なぜ遅れるのかはもちろん、 誰がどこに行っていようと、誰も知らない。 それで仕事が成り立っているといえばいえるが、あたしは全然理解できない。が、もう慣れていた‥‥。 「で、悪いけどあたしの机の書類、コピーとっといてくれる?」 「あ、はい。わかりました。気をつけて来てくださいね」。 すごい貧血状態の自分の頭に、スーッと血が通っていくのを感じた。 こんな会社でも、あたしはやっぱりあたりまえの、 とても簡単なことばの交換に支えられてることを、否定することはできない。 |
| ○月×日「再会」 |
| 取引先に納品に走った帰り、ずっと仕事をしていない仲間の事務所に突然顔を出し、昼を一緒に食べた。 彼からは、“自分の信じることをやっていこうぜ!”的アドバイスをいつも受けており、 力が沸いてくると同時に、甘ちゃんな自分を顧みることもできる。 食事を終え、ひとりで歩き出した途端、また別の仲間にバッタリ出会った。 彼は、仲間であり、業界の先輩であり、異性である。その微妙なバランスを保った関係が難しく、 ある日を境に連絡を取らなくなっていた。 私が最も苦手とする“目標をまっすぐに見つめて、迷わず突き進む”ことをスマートにやってのける輩。 あまりにもストレートな実行力に、自分が卑小な俗物に思え、 それでいて大切に扱われることに、惨めささえ感じていた。 彼は言った。 「あれからずっと考えてた。メールする。」 正直、嬉しかった。 今の自分にとっては、眩しく思える存在。 でも、いつか本当の仲間として認められたいと思っている相手。 また、気持ちを乱されるだけかもしれない。 でも、一生どこかで関わり続けていたいと思うし、そうなる相手のひとりだと確信している。 |
| ○月×日「誕生日」 |
| その日、母は朝から食卓にちらし寿司を用意していた。 「なんで朝から?」 低血圧で、おまけに寝坊して不機嫌な30ン歳を迎えた私。 「だって、一応誕生日だし・・・」 かわいくアプローチしようとする、70過ぎの母。 「どうせ、夜は帰ってこないんでしょ?」 率直に聞いているのか、スネて気を引いているのか。 私は後者と受け取る。相手の心を深読みしすぎて悩む性格。 ・・そのことを知らない母ではない。 母には彼が私と過ごすために待ってくれていると言い、 彼には母が朝御飯に気を遣ってくれたことを伝える。 仕事を終えて、母に電話。 「どうしようかなぁ・・」 「もう・・。行ってきなさい。」 そうだった・・・。 子供の頃から、いつもどちらが正しいか、 どちらが自分の心が傷まないか思い悩むと、 無意識に母の言葉を待っていたんだっけ。 「そうしたらいいじゃない」「勝手にしなさい!」 「しょうがないねぇ」---。 「やめなさい!」と言われたことなんて、なかったのに・・。 あと何年、この人のそばで、この人が与えてくれた日を 慈しむことができるんだろうか・・・・。 |